マッチングアプリを退会したほうがよいかもしれない時。詳細説明
以前マッチングアプリを休んだ方がよいのではないか、と考える時を後悔しました。
その理由を詳細に説明いたします。
長いので気になるところだけお読み下さい。
*幸福なアプリ利用者には心地よいものではないかもしれないのではないかと懸念します。ただ、あくまで一部の少数の利用者から懸念したことを統計解析してまとめ、その結果や世界や日本の文献をまとめて考えたことを還元するだけのものです。
*この内容で傷つけられた、などとクレームや批判が出ても責任を持ちかねます。病状が悪い方は読まないでください。あくまで、そんな考えもあるんだな、という参考情報として捉えてくだされば幸いです。新しい領域で確固たるエビデンスがあるわけでもない経験です。
<面倒でも、ひとまず退会する等、沢山の人と会うより、休んだほうがよい時>
・詐欺や性犯罪やレイプドラッグ・ドラッグを盛られるなど被害にあった
ドラッグを盛られてしまったりハラスメント被害にあわれたりすると、物質依存症や関係依存に巻き込まれることがあります。運営元や警察や消費者センター専門家に相談しても、不調が続くようなら当院にご相談ください(ドラッグの場合、専門病院をご紹介致します)
マッチングアプリには依存性があるかもしれない、と懸念する論文もありますが、よくわかりません。ただ、依存症レベルを疑う方が複数おられ、利用者の生涯の伴侶が依存症になりうることを懸念しております。
傷つきを癒すのに依存を使うと、一時的に回避できても、かえって悪化して治し難くなってしまうかもしれません。受診は嫌なものかもしれませんが、専門家や犯罪被害者支援センターなどへご相談ください。トラウマには心理療法もあり、当院も扱っております。
犯罪を繰り返してしまう反社会性パーソナリテイ障害を抱える方も、マッチングアプリ利用が多いという論文もあり、実は当院でも少なくありません。来年はマッチングというサスペンス映画も公開されます。マッチングアプリ強姦殺人の特徴を報告する論文もあります。
嘘をつき、規則を守らず、搾取することを自分で止められず、苦しみつつ生きのびられている方もおられる現実をご配慮ください。特に、搾取されやすいタイプの精神障害を抱える方がマッチングアプリを使われるなら、重症化されないよう、親御さんもご注意ください。
・親が結婚してほしいと考えていそうだから早く親の期待にこたえたい
精神障害を抱えて幸福な結婚をされている方も実際におられるのですが、残念ながら、アプリ婚は、メンタルヘルスの問題を抱えた当院来院者ではあまり多くありません。もちろん当院の統計は国などの調査とは違い小規模で、エビデンスはない経験でしかありません。
アプリ利用者が人口の約2割と多いので、きっと僅かな頻度でも周りに結婚する人は現れます。自分(うちの子)だけアプリを使っても、なぜすぐ結婚できない、と焦られないよう、温かく見守りましょう。下記状況ではご自身(お子さん)を休ませてあげてください。
ご存じの通りメンタルヘルスの問題を抱える方々のなかには優しい方も多いのです。親はそんなことを期待していなくても、親のためだと語り頑張って焦って悪化し、自殺未遂、大金浪費、性感染、入院検討などの事態に陥り、親の助けが必要になる方もおられます。
そんなプレッシャーに焦ってしまわれやすい症状のある方もいるので、注意が必要です。本人が選ばれたら結婚は自由で責任なので、その決定を尊重するのみかもしれず、当院も支援し続けるのみです。ただ、下記の状況では利用を控えていただくよう説明しております。
・病状が悪い(焦っているか、よく眠れていないか、疲れている等)
連日眠れない躁や幻覚・妄想のある精神病では、沢山の人と会えば会うほど刺激になり病状悪化するリスクがあります。毎月費用を支払って利用しても、幻覚・妄想などがあり交流に本来の力を発揮できず、傷つき続けるなかアプリを止め難くなる前に、ご検討ください。
アプリでは短期に複数の浮気も少なくないため、別れ話に繰り返し巻き込まれると急速に病状が悪化します。マッチングアプリがよくマッチするからこそ、結婚相談所や他の恋愛より展開が早くショックが重なり薬剤増量も間に合わずうつ状態悪化することもありました。
疲れている時も、何事もなかった人もいれば、運悪くそんなごたごたに巻き込まれると、不注意で性病をもらったり、傷ついてうつになったりして、初診が必要になる方もおられました。ご注意ください。
・マッチした。アプリ婚をした。
誰かとマッチすると、他の相手からのお誘いメッセージが続々と届く方は特に、より魅力的に見える人に目移りしてしまい、浮気を我慢せざるをえない状況に置かれることも少なからずあるようです。
こんな場面で依存症がらみの病態があったり、精神障害があったりすると、皆が皆そうという訳でもありませんが、我慢し難いのでしょうか。精神障害では、前頭葉という衝動を我慢する領域が障害・萎縮するという研究報告や画像研究も関係しているのかもしれません。
浮気が止まらなくなり、どこからともなくバレて破局になると、浮気した側も後悔され、病状悪化する姿を見かけます。逆に、マッチした相手や結婚相手がアプリをやめてくれない場合、その縁から距離を取るという選択により、健康な境界線を保てるのかもしれません。
退会してまた登録するのは面倒なようですが、もっと条件が良かったり、見目の良い人に目移りしたり、せっかくマッチした相手とお別れになり後悔するのを繰り返すくらいなら、マッチ・アプリ婚したら退会し現実に集中、と予め決めてからの利用もあるのでしょうか。
遊びに使うツールと割り切っている方も少なくないようですが、別れ話はエネルギーがいるもので、短期に別れが続くと、気付かないうちにストレスを受けて病状悪化する予想外のリスクもあるかもしれず、ご注意ください。
・利用時間がふえた(特に、会社でも通知をつい見てしまう等)
依存症は、それを使いたい強い欲望や、やめようと思っても止められない強迫感がわき、使い始める時間や止める時間をコントロールできなくなり、初めは少しから徐々に量が増えます。好奇心で始める方も少なくないですが、利用時間が増えた時は、ご注意ください。
特に、利用時間が増えていて本当は使ってはならない社会的に問題のある職場などでも使い始めたのなら、なかなかやめがたいかもしれず周囲や専門家に相談されるのも一手です。
自力で退会できる段階で一度退会等、予め上限を決めて利用する人もいましたが、コントロールできなくなる人もおられる点を心配しております。
・相手の体の一部・スペックでしか相手を見られない、すぐ相手に飽きて次に移ってしまう対人関係が身につき、人間関係が短期化した
依存にはすぐ耐性がつく(すぐ飽きる)という特徴もあります。アプリを使っている方のなかには、徐々に対人関係が短期化する人も少なくありません。相手の身長や顔、スペックだけに惹かれて、すぐ飽きる時は、ひとまずアプリから離れてもよいかもしれません。
・恋愛以外のことを考えられなくなった(元々趣味がないという人もいます)
依存症には報酬系という価値を決める脳の領域を障害する特徴があり、依存物質が一番になり他の価値観が価値下げされてしまいます。アプリ・恋愛以外、以前は休日に楽しんでいた他の趣味や友人や家族を大事にできなくなり、楽しめなくなったりする方もいます。
アルコール依存症なら、お酒をやめると約半年で友人や家族や趣味を思い出されます。元々趣味がないと言っていた方が趣味を思い出されたりします。アプリだとどのくらいの期間が必要かわかりません。アプリ・恋愛以外楽しくないなら、退会も一手かもしれません。
浮気を繰り返すことが止まらず、マッチして付き合っても、婚約しても、結婚してもアプリをやめがたく、別れ話や別れの危機を経験するなど悪化した方もおられました。もともと、浮気を止められない強迫的性行動症ではアプリ利用者が多い話は知られていました。
強迫的性行動症では、繋がりや性行為より、相手を落とす楽しさが目的になってしまわれていることが多いようです。
・アプリから離れようとすると不安で焦る(他の人に盗られてしまうのではないか等)
依存症ではそれを止めようとすると不安・いらつき・焦りなど精神症状が悪化する離脱症状がでる場合もあります。アプリを止めようと思うけど止められず、診察室でアプリをアンインストールだけされてみたり、携帯を壊されたりしても、止められない方もいました。
強い不安が出て止められなくなると、薬物療法を行っても、なかなか離れられない時もありました。そうなる前に、ひとまず一度だけ退会してみてください。
誤っているかもしれませんが、個人的にこんな時は小休止したほうがよいのではないかと考えております。便利なツールである一方、ごく少数の話でしょうけれど、そんなトラブルも起きております。ご注意ください。
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