日中のパフォーマンスをあげるには、できるだけ薬を使わず、睡眠の時間と質を確保したいものです。
ただ、多忙になればなるほど、過労死レベルに働かれている人であればあるほど、年齢が上がれば上がるほど、寝る前の悪癖が目立ち、睡眠が不良になり、メンタル不調が出てくる方が目立ちます。
心療内科の外来でよくみかける、寝る前の悪癖を3つご紹介いたします。
2.寝る前に飲水・食事をとる悪癖
これも、ご存じとは思いますが、寝る前の食事摂取は、消化活動が必要になり、睡眠が浅くなるそうです。お手洗いも近くなり途中で起きる方もおられます。
特に、40代半ばあたりから、男女をとわず6時間眠るまでにトイレへ1回以上、行く夜間頻尿を抱える人が増えます。3か月毎週続くなど長期化すると、不注意が出ていたり、表情が眠そうだったり、攻撃的だったり、疲れがとれていなかったりする人をよく見かけます。
睡眠薬を使う前、多量の飲水を寝る前2時間前などに控え、寝る直前に薬を飲むならゼリーか少量の飲水にしたり、寝る前にトイレに行ってから寝る習慣をつけたりされると薬を使わなくても、睡眠が良質になり日中のパフォーマンスも上がるはずです。お試しください。
他には、特に糖尿病家系の方や薬を内服されている方では、口の乾きが初期症状として出てきたり、薬の副作用で口が乾いたりすることもあり寝る前に水が飲みたいようです。口臭スプレーなど口や喉を潤すスプレーもあるため、そうした工夫もできるかもしれません。
それでも、夜中にトイレに行かれるようなら、八味地黄丸という薬局で手に入る市販薬も、薬剤師の責任のもと試せるかもしれません。市販薬は全額自費で内容量も処方薬より少ないので、多少効果があったという人は当院を含めたお近くの医療機関にご相談ください。
それでも、どうしても食べたい・飲みたい時には、寝る前2時間前までに、下記の消化に悪い食品を避けて、消化によい食品をご選択くださいますよう、ご検討お願いいたします。
*寝る前の食事は逆流性食道炎も起きし易いです。放置・進展すると前癌病変となり、極稀に癌化します。寝る前に食べたらギャッジアップ(上体を上げた姿勢)できればよいですが、ご家庭ならせめて枕やクッションで上体を上げて寝て見られてはいかがでしょうか。
<消化に悪い食べ物>
脂分多い肉、加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン)、ラーメン、パスタ、干物・タラコ・貝・イカ・タコ・サンマ・サバ・マグロ・寿司、硬い豆、乳製品(チーズ・牛乳・ヨーグルト)、れんこんなど野菜、硬い果物、固ゆで卵、きのこ、漬物、こんにゃく、しらたき等。
<消化に良い食べ物>
お粥、うどん、豆腐、味噌、鶏肉、ヒレ肉、タラ、タイ、ヒラメ、カレイ、カブ、大根、キャベツ、おろした長芋、白菜、じゃがいも、かぼちゃ、里芋、バナナ、おろしリンゴ、缶詰果物、半熟卵、卵豆腐、茶碗蒸、水、白湯、麦茶、乳酸飲料、ルイボスティ等。
<消化に悪いおやつ>
ココア、コーヒー、紅茶、オレンジジュース、酸味のあるフルーツ、サイダーやコーラ(歯もとける)、スナック菓子、チョコレート、シュークリーム、寒天ゼリー、コーヒーゼリー、ケーキ、ドーナツ、ナッツ、せんべい、かりんとう
<消化に良いおやつ>
プリン、ゼリー、卵ボーロ、わらび餅
薬を使う前に、まず自分で試せる様々な工夫があるかもしれません。それでも、お困りの際は、出来る限り早い段階で(1週間に1日眠れないだけでも)お問い合わせください。早く受診して下さると、漢方や依存性のない薬で治療できるので、こちらも助かります。
それでは、皆さま、どうぞご自愛くださいますよう。
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