先日、ウェブセミナーで選挙期間のメンタルヘルス管理というテーマの海外講演会を聞き、うなずいていました。
昨今は、災害続きで、被災された方々の苦痛を察するばかりです。オンラインでも相談には乗れますが、まずはライフラインなどが必要だったりするのが急性期で力になれず、残念です。実際に被災されていなくても、報道をみるだけで不調になる方々もおられます。
しかも、今は選挙期間前後で、日本でも演説中に元首相が暗殺されたり暗殺未遂が起こったり物騒な事件が続いており、秋になると陽の光が減り花粉症が生じ睡眠に支障が生じやすく、皆さま元々不調になるものですから、初診で来られる方が増える時期なはずです。
それだけでなく、選挙期間中は選挙カー、今はTV、ソーシャルメディアなどで、連日この国の将来に関わる選挙についての報道は続き、国民として不安を感じることは当然でしょう。
以前、東日本大震災の津波動画や、新型コロナウイルスなど災害や犯罪、自殺の報道を連日眺めていると、メンタルヘルスに不調をきたしての来院者が増えることをお伝えしたかもしれません。
こうした選挙や政治に関わるメンタルヘルス悪化もあるようなので、この期間には、特に、強迫性障害や不安障害、依存症を抱えておられる方々は悪化するそうですので、ご注意ください。
国の将来を考えすぎて、不安が高まったり、他の人と政論が合わず仲違いや興奮しすぎた後にうつになったり、止めようと思っても止めれず仕事中にすらSNSや動画を探してしまい依存が悪化したりすることがあるのだそうです。
そんな時期の情報収集は、TVや動画で「視聴する」のではなく、新聞やSNSニュースを「読む」ことで刺激を絞るとよいといわれているそうです。TVやSNSなどの携帯動画では、あまり想像力がない方でも音声や視覚で生々しい情報が伝わってしまい不調になりやすいです。
デジタルデトックスとして、朝30分、夕30分、違う活動を楽しむ時間を作りましょう。
それが難しければ、5分間ルール。5分間だけ、しなければならない仕事や活動、趣味やリラクゼーション、誰かと連絡をとってみるなど、挑戦してみましょう。
不調を感じられたら、学校の先生や職場の同僚、ご家族、友人とこの時期の不安を話し合われてみてください。話す相手がおられない場合、当院も有料ですが、お力になれます。
多くは、この時期を過ぎれば一時的に収まるものですが、2週間以上、朝の気分の落ち込みや、TVや新聞がみれないか、3食よいものをたべる気がしない、やる気が起きないなどの不調が続くなどメンタル不調が慢性化するときには、専門家にご相談ください。
睡眠障害は、連続して2日おきるようなら3日目(月曜の夜眠れず、火曜の夜眠れず、水曜日なら水曜には。できれば火曜)までにはご相談ください。それ以上だと重症タイプかもしれず、強い薬が必要で回復に時間がかかるため、当院で対応できない場合もあります。
月曜眠れず、金曜眠れないなど連続しない睡眠障害のタイプなら、軽症型が多いですが、1-2週間以内には専門家の治療をご検討ください。週1回や2週間に一度のレベルなら漢方や精神心理療法のみで対応できることもありますが、それ以上だと難しいことも多いです。
未受診機関が長いほど重症化してしまい、治療期間が長くなり、薬も強いものしか効かず、強い薬を使えば副作用も出て、後遺症が生じやすく、その責任を医療機関では負いかねます。早期受診のご検討をお勧めいたします。
当院は人数設備体制が小規模な医療機関で限界もございます。
幻覚や妄想をもっておられたり、パラノイアと呼ばれる妄想性パーソナリティ障害などパーソナリティ障害の方々、依存症を抱える方々の対応には、安全管理上、多数の職員や入院救急設備が必要になることが多く、当院にいらしても、すぐ大規模病院を紹介いたします。
重症な方々にも報道は刺激になってしまいテロを考えてしまわれたりする方も少なくありません。薬の調整を主治医に依頼され、行動に移さず乗り切られるよう、優秀な日本の頭脳を暴力に使われず、他の形で活躍されるよう、祈るばかりです。
災害も選挙も大事な報道を伝えることがマスメディアに携わる方々の義務なので、精神障害者を配慮して報道しない選択はできないようです。そんな時期は、大変ですが、メンタル不調を抱える本人・ご家族で自衛して乗り切っていきましょう。
辛い時期かもしれませんが、出来るだけTVやSNSなどでの動画視聴を避けて、読んで情報収集をすることと、デジタルデトックスや運動、リラクゼーション、おいしい秋の味覚、アロマ、入浴、対面での話し合いなどを楽しみましょう。
どうか皆様ご自愛ください。
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