熱中症にかかりやすい状態。メンタルヘルス・月経・身体疾患
先日、私が月経中に軽い熱中症をおこし反省し、繰り返さないよう予防について調べました。
特に女性は気を付けましょう。利用者の方々も、熱中症リスクは高い方なので、他人ごとではないと、ご注意ください。
女性はホルモン変化により熱中症になりやすいかもしれません。
月経時に起こるホルモン変動(エストロゲン・プロゲステロン変動)は、水分保持やナトリウム排泄の調整にも関わります。月経前・月経中にむくみやすくなったり、脱水になりやすくなったりする人もおり、水分バランスが不安定になることが熱中症のリスク因子となりえます。
なお、月経周期と体温の関係では月経中より黄体期(排卵後〜月経前)に黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で基礎体温が0.3〜0.5℃上昇します。この体温上昇で身体の熱放散能力が低下しやすくなり、熱がこもりやすくなるため、暑い環境では熱中症リスクが高まります。
特に、貧血気味の方、PMSが強い方では、体温調節や血圧維持の機能が一時的に低下し熱中症にかかりやすくなる可能性もあります。
月経前後の不調(PMS)などのある方は、炎天下での活動や運動中に体調を崩しやすい傾向があります。
月経中は、倦怠感、頭痛、集中力低下などがあり、熱中症の初期症状と似ており、症状を見逃しやすくなることもリスクになるのでしょう。
■ 女性の月経に対する対策ポイント
・月経前後は特に水分・塩分補給を意識する
・涼しい服装・通気性の良い素材を選ぶ。
・日傘をさす
・保冷剤や首に濡れタオルを使う。
・無理な運動や外出を避ける(特に黄体期)
→出張など断れないものもあるので、熱中症アラートや出張先の気温と普段暮らしている土地の気温とを比較し、予め熱中症など体調不良が起きるリスクを上司や取引先に伝えておく。
・体温が高めと感じたら、早めに休憩を取る。(体温計があるとよいのかもしれません)
・月経アプリなどで周期を把握し、夏の遠出や外出の予定を調整。
・体調不良を感じたら、速やかに職場上司に報告し、休憩をとらせてもらったり、給水をさせてもらったりしましょう。
■ 熱中症に気づき難く、支援者が注意した方がよい方々
・子供や高齢者
体温調整が難しい場合があります。
・精神障害者
まず、体温上昇や倦怠感などの身体感覚が鈍くなっておられる方もおられます。のどの渇きや暑さの感覚も乏しく水分摂取のタイミングを逃しやすくなります。
また、意欲低下・判断力低下で「暑いから休もう」「水を飲もう」といった調整行動が取りにくいようです。そのため、症状が進行しても対応できないこともあります。
さらに、抗精神病薬、三環系抗うつ薬、抗コリン薬、ベンゾジアゼピン系などには、発汗抑制(熱がこもる)、認知機能・意識レベルの低下(気づかない)、脱水促進(利尿作用)を引き起こす可能性があります。
なお、支援者への不調の訴えが難しかったり、「具合が悪い」と伝える適切なタイミングがつかめない場合もあります。
・体調不良者
発熱、倦怠感、脱水傾向、食欲不振などがある状態では、体温調節機能や循環機能も弱っており、熱中症になりやすいです。
■ 他に重なったと考えられる要因
・電車遅延
乗り換えが普段より増えると、冷房のない暑いホームで電車が来るのを待つのを繰り返した要因もあるかもしれません。夏の電車遅延で急行などへの予定した移動手段の変更時、注意しましょう。
進行すると、せん妄という判断能力が低下して誤った目的地に向かってしまったり、日付がわからなくなったり、不注意になってしまったりすることもありますので、注意しましょう。
・熱中症アラート。出張先と自分の居住地域の外気温差
その地域までの移動中、37~37.6度の外気温で通勤を試みるなか、熱中症をおこしてしまいました。
40代半ばは高齢に近くなってきているのか。
日傘をさし、うちわであおぎ、水分をこまめにとっていましたが、もっと薄着にし保冷剤や濡れタオルなど、外観を気にせず、対策するべきでした。
熱中症アラームや出張先の気温が普段の居住地より高いことに気づいていなかったのも要因だったと反省しております。
電車の遅延などを想定し30分以上余裕をもち出発していましたが、遅延したなら遅延で先方にお伝えし、より早い到着を目指し冷房のない駅のホームで長時間過ごすようなことは極力控え、もっと自分を大事にした方が、結果より早く到着できた可能性があった、と反省しました。
■ 当院でできること
・観察:本人が気づかないためモニタリングに注意します(顔色、発汗、応答変化など)。
・環境調整:室温・湿度の管理、水分摂取のルーチン化(声かけやタイマー活用)など。
・薬剤の影響を考慮:夏季は抗コリン作用の強い薬の量に注意します。
・本人教育・リーフレット掲示(下記参照):熱中症のサインや対応を日ごろから伝えます。
・日中の外出制限や作業調整:気温の高い時間帯を避けていただくよう説明いたします。
体調不良時は特に、長時間、屋外で過ごさない仕事に変更できないか相談するか(難しいこともあります)、ハイリスクな日に働き、熱中症を疑ったら職場上司に速やかに相談し、こまめに飲水し涼しいところで休憩をとらせてもらい、命にかかわらない範囲で働きましょう。
休職や業務軽減、環境調整などの相談、診断書作成も承っております。
熱中症は、それだけで防げませんが、夏バテに効く漢方なども扱っております。クーラー不調で朝方に目が覚める、喉が渇いて目が覚める、また花粉症が出てきたなど、睡眠の問題は早めにご相談ください。
・厚生労働省の熱中症予防のリーフレットを提示します。
院内にも掲示いたします。
熱中症は他人ごとではなく、誰にでも起こりえます。今回は失敗してしまい反省しました。
皆様、どうぞご自愛ください。
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